2019年8月7日未明。
浅間山で小規模な噴火が発生した。
これに伴い、浅間山の噴火警戒レベルは3に引き上げられ規制が行われていたが、その後火山活動の活発化は認められないことから、8月18日に警戒レベルが2に引き下げられた。
このことを知った母「黒斑山にお花を見に行こうよ」と言い出す。
今回の噴火は特に前兆がなかったとのことから、私は一抹の不安を覚えた。
警戒レベル2とはいえ、しばらくは入山を控えた方が良いと考えていたからだ。
黒斑山山頂は火口から3Km弱の位置にある。
規制の範囲のギリギリ外側ってとこか。
色々調べて不安はあったものの、8月24日に黒斑山へ行って来たので紹介する。
<今回のメンバー>
てれってー、父と母の計3名。
浅間山の噴火警戒レベルと黒斑山
黒斑山というのは浅間山の第一外輪山である。
そして浅間山は活発な活火山であり、火山活動の傾向により噴火警戒レベルが設定されそれにより入山規制などが行われる。
レベル1(活火山であることに留意)
火口付近立ち入り禁止(火口から半径500m以内規制)
火山活動は静穏。
火山活動の状態によって、火山灰の噴出等がみられる。
レベル2(火口周辺規制)
火口付近立ち入り禁止(火口から半径2Km以内規制)
火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生。
あるいは発生すると予想される。
レベル3(入山規制)
登山禁止(火口から半径4Km以内規制)
住居地域の近くまで膨大な被害を及ぼす噴火が発生。
あるいは発生すると予想される。
火山活動の状況(浅間山)
浅間山とは
浅間山は長野県の軽井沢と、群馬県の嬬恋村の堺にある標高2,568mの活火山なのだが、厳密には浅間山とは西側の三ツ尾根山(黒斑山)、中央に位置する前掛山、その山頂にある釜山の総称したものである。
数万年前から活発に活動し、噴火と崩壊を繰り返して現在の地形となった。
というのも、最盛時には2,800m以上もの高さがある富士山型の巨大な火山だったのだそうだ。
それが24000年くらい前、大規模な山体崩壊が起き西側には現在の黒斑山のある馬蹄型のカルデラ(第一外輪山)が形成された。
そして平安時代の天仁元年(1108)、30億トンと推定される噴出物を伴う超ド級の大噴火が発生し、山頂付近のカルデラ(第二外輪山)が形成された。
これは過去1万年の浅間山大噴火の中でも最大規模だったと言われている。
また江戸時代の天明3年(1783)に起きた大噴火では、膨大な量の溶岩が嬬恋村方面に流れ出し、その形跡は現在鬼押し出し園として整備されている。
この噴火では群馬側を中心に多くの犠牲者を出し、死者1400人以上、倒壊家屋千棟以上にのぼった。
上の画像のように、このときの大量の溶岩流は現在でもハッキリとその痕跡を見て取れる。
黒斑山とは
浅間山の第一外輪山最高峰で、標高は2,404m。
24000年前の山体崩壊で残った西側の馬蹄型カルデラの部分ってことになる。
今回我々が向かったのが、この第一外輪山最高峰である黒斑山だ。
花の百名山として数えられ、様々な花が見られる。
ルート概要・トイレ情報
今回は父が運転する車で。
高峰高原ホテルの駐車場スタート。
車坂峠から表コースで花の写真を撮りながらゆっくり山頂を目指し、下りは中コースより一気に下る。

トイレは高峰高原ホテル前のみ。黒斑山ピストンであれば3時間ちょいだからガブ飲みとかしなけりゃ問題ないよ。
ルート情報 | |
行動時間 | 4時間10分 |
内、休憩 | 約40分 |
歩数 | 15,000歩くらい |
歩行距離 | 4.94km |
トイレの有無 | 有(高峰高原ホテル前のみ) |
温泉の有無 | 有(高峰高原ホテル) |
体力度 | |
難易度 | |
また行きたい度 |
山行記録
今回は登山というよりお花を撮影しながらの、のんびりハイキングだ。
普通に歩けばコースタイム3時間程のルートをゆっくり歩く。
噴火に備え、周囲の音や匂いなど気にしながら…。
ヘルメット被ってるおっちゃんもいた。
車坂峠の高峰高原ホテルの駐車場に車を停めて出発。
登山口横には山の神さま。
登山口。
現在の噴火警戒レベルの掲示がある。
また、登山届けポストも設置してあるので必ず提出しよう。
もう登山口からしてお花咲きまくり。
一瞬開けたところに出る。
鳥の声も虫の声も一切しなくて、シーン…としてた。
まさか!噴火の兆候か?
と思ったけど、たまたまだったかな…
黒斑山表コース、お花あり景色よし、登ってる感ありで、なかなか楽しい。
この木道というか、階段が始まったらもうすぐシェルター。
しかしこれが長い!
槍ヶ鞘に到着。
ガッスガスなんですけど!?
浅間山、まったく見えない!笑
まぁ…そのうちガスが晴れることを祈って先へ進む。
ヒメシャジン
帰りは分岐から中コースを下る。
ここですれ違ったおじさんが、来る途中熊の親子を見たとのこと…こわっ
歌を歌いながら下山!
中コースは道が悪い箇所がいくつかあった。
土砂で登山道が流されたような感じ?
今回は噴火警戒レベル2とはいえ、小規模の噴火の可能性は十分あるので鳥の声や周囲の匂いや音に注意を払いながら恐る恐る歩いた。
そして帰宅後25日、なんとまた小規模噴火があったとのニュースが…。
やっぱりしばらく行くのやめようと思った次第である。