2019年2月下旬の週末。
今回はお馴染み高尾山系の中でも、まだ行ったことのない北高尾を歩いてきた。
約430年前に落城したという八王子城跡を散策しつつ、ハイキングでもしましょうかと。
しかしこれが予想以上にきつかった。
まぁ普通に考えて戦に備えた山城だったというのだから、簡単な道のりなわけがないよねと。
今回は諸事情で写真が少な目だが、トイレ情報も併せて紹介したい。
八王子城とは
八王子城は、戦国時代末期に北条氏照によって築かれた広大な規模の山城であり、日本100名城にも数えられる。
東京で100名城に選出されているのは江戸城と八王子城だけである。
標高445 mの深沢山(現在の城山)に北条氏照により築城され、麓には御主殿があり、山頂に本丸がある。
八王子城は小田原に本城(小田原城)を置く北条氏の支城であり、軍事上の拠点であったが、天下統一を目指す豊臣秀吉の軍勢に加わった上杉景勝・前田利家・真田昌幸ら1万5千にも及ぶ軍勢による猛攻撃を受けた。
この攻撃のあった当時、北条氏照と精鋭たちは小田原の合戦へ援軍に出ており城には僅かな家臣と婦人や子供しかおらず、わずか1日で落城したという。
豊臣秀吉の戦法は人命を尊重し相手が降伏するのを待つスタイルが多かったのだが、時には徹底的に叩きのめすこともあった。
八王子城に関しては情け容赦なく攻撃を受けることになるのだが、その理由は八王子城側の頑なな態度だったとも見せしめの意味があったとも言われている。
成すすべもなかった氏照の正室をはじめ、城内の婦女子は自刃して御主殿の滝に身を投げたことから、滝は三日三晩、血に染まったという言い伝えもあり、その惨さが伺える。
それでも死にきれなかった者たちは首を刎ねられ、小田原城に立て籠る夫や父の戦意喪失のために晒されたという。
八王子城は落城後、徳川家康に委ねられ、その後江戸幕府直轄領となるものの再び機能する日は来なかった。

これだけ残虐で悲惨な歴史背景からなのか、この辺は心霊スポットとしてもかなり有名なんだよね。
ルート概要
今回は八王子城跡バス停からのスタート。
スサノオの八柱の御子神を祀る八王子神社や、かつて本丸のあった山頂を経て夕やけ小やけふれあいの里へ向かう。
途中の道は傾斜の激しい登りと下りを何度も繰り返し、また眺望も終始あまりよくないので修行のようである。
だからか、人が少なく静かでのんびり歩けるのは◎。
ルート上にベンチやテーブルがあるのは富士見台のみ。
他はあまり広い場所がないので、富士見台で食事を取るか、行動食のみで一気に抜けるかがおすすめだ。
我々は、途中のほんの少し開けたところでホットサンドランチ。
その間一組の老パーティーが通過したが「あらら~美味しそう♪」「素敵ねぇ♪羨ましいわぁ♡」と完全に見世物となった。

このルート上は、八王子城跡入口付近に数か所と山頂付近に1箇所トイレがあるけど、山頂付近のはあんまり綺麗じゃないのね。入口前にあるガイダンス施設のトイレで済ませてから出発するのがおすすめ!あと、ゆっくりごはん食べたい人は富士見台一択だよ。
ルート情報 | |
行動時間 | 5時間00分 |
内、休憩その他 | 休憩40分と、途中で道を間違え30分のロス |
歩数 | 20,000歩くらい |
歩行距離 | 6.09km |
トイレの有無 | 八王子城跡入口付近に数か所、頂上付近に1箇所 |
温泉の有無 | 有っちゃ有(夕やけ小やけふれあいの里にお風呂施設がある) |
体力度 | |
難易度 | |
また行きたい度 |
山行記録
京王・JR高尾駅から、八王子城跡行きのバスに乗る。
バス停は確か一番手前。
小仏行きや、陣馬高原下行きのバスより空いてて余裕で座ることができた。
八王子城跡バス停からすぐガイダンス施設が見える。
ここは資料館のようになっていて、甲冑なんかも展示してあるので見ごたえがある。
トイレもめちゃ綺麗なので、資料館を一回り見てトイレを済ませてから出発するのがおすすめ。
ガイダンス施設を出て少し歩く。
八王子城跡入口だ。
本丸方面と御主殿の滝方面の分岐。
今回我々は御主殿の滝はスルーして、そのまま本丸へ向かう。
鳥居をくぐると、ここから本格的な登山道が始まる。
ここから頂上の本丸跡までは地元の住人と思われる方々もちらほら見かけた。
頂上まで行ってピストンで戻っているようだ。
頂上までは40分程度で、そんなに道も悪くない。
毎日ピストンしたら相当いい運動になるんじゃないだろうか。
頂上が近くなってくる頃に、一瞬展望が開ける。
今回のルートで「おお~」って言ったの、ここだけだからな。
なんだっけコレ。
突如石の階段が出てきて、そこを登ると八王子神社がある。
916年、華厳菩薩妙行がここで修行中に牛頭天王と八人の王子が現れたそうだ。
この八人の王子がスサノオの八柱の御子神である。
そんなこんなで916年に、この八人の王子が祀られたとのこと。
八王子城の由来は、北条氏照がこの地に城を建てたからなんだとか。

スサノオは、天照大御神の弟で乱暴が過ぎたため高天原(天界)を追放され地上に降りた神様。あの有名な岩屋事件は、スサノオの過剰な悪戯が発端で、姉として責任を感じたアマテラスが隠れちゃったっつー話なんだわ。地上に降りてからのスサノオは色々頑張って英雄になったわけ。ちなみに戦場ヶ原の記事で触れた大国主命は、スサノオの子孫ね。
八王子神社からもうひと踏ん張り登ったところに、本丸跡がある。
正直、「狭っ!」と思った。
すんごくこじんまりとした場所だった。
本丸跡を過ぎて、富士見台方面へ向かう。
詰城。
終始こんな感じに視界を遮られた道を黙々と歩く。
修行かな。
富士見台。
この分岐標識を荒井バス停方面にほんの少し行くとテーブルとベンチがある。
多くの登山者はここでランチにするようだ。
しかし、昼にはまだ時間が早かったので、我々はスルーすることに。
ところで、富士山まったく見えないのになんで富士見台?と。
で、そんな話をしながら間違ってそのまま荒井バス停方面に20分も下ってしまった。
GPSで現在地を確認して発覚したのだが、とんだミスをぶちかました。
さっきの富士見台分岐立て看板まで戻り、30分以上のロス。
狐塚峠。
ここまで来たらもう下るだけ。
黒ドッケ。
明王峠・景信山方面と、夕やけ小やけ方面の分岐だ。
景信山方面へ行くなら、この黒ドッケは午前中に通過したいところである。
ということで、今回は気楽なハイキングだったのでこのまま下山する。
一気に下り、あっという間に夕やけ小やけふれあいの里へ到着。
ここはバーベキューやお風呂施設があり、小さな子供連れのファミリーが多い。
高尾駅まではバスで20分程度。