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<実録>一歩間違えれば遭難…登山での怪我 体験談と反省点

この記事は、割と序盤からエグい表現が含まれます。

ついにやってしもうた。
登山を始めて7年、今まで山では怪我という怪我をしないでやってきたが…。

つい先日のことである。
今月後半の3連休、泊まりで山へ行こうと話していたメンバーでトレーニングがてら奥多摩のとある山に登った。

体力的にも時間的にもすこぶる順調で、下山ルートに差し掛かっていた。
「下山したら温泉入ってビール飲もうよ」なんて話したりして。

ところがあとちょっとで登山口ってところで、下手こいてスッ転んだのは紛れもなく私である。
経験のない痛みに襲われ、患部を見るとパックリというかザックリというか、ザクザクに切れて中の何らかの組織がこんにちはしちゃっていた。

自身の気の緩みや過信により、起こるべくして起こったこの事故。
今考えると、反省点がたくさんある。

今一度反省点を洗い出し、教訓として忘れないためにも思い筆を取った次第である。

ことのいきさつ

9月1日の日曜日。
仲良しのR嬢と、R嬢の山友さんT氏の3名で奥多摩のとある山へトレーニング登山に行った。

実はこのメンバーで、9月の3連休に泊まりで山へ行く計画を立てていたのだ。
今回はトレーニング兼ねて、軽く低山を歩きましょうやと。

コースタイム4時間程度の工程であるが、下りのルートは奥多摩三大急登に数えられる急坂を下る。

途中T氏がアブにやられるというプチトラブルがあったものの、順調に山頂を経て下りルートへ差し掛かった。

なるほど確かに急坂である。
道は砂地で滑りやすかったり、ザレ場だったり、非常に歩きにくい嫌いなタイプ。
なので、慎重に歩いている…つもりではいた。

「あと15分くらい下れば舗装された道に出るわ!」

ってとこで。
最後にして最大の急坂に差し掛かった。

左足を踏み出したポイントがザレていて、ズルズルと足を持っていかれた。
バランスを崩しそうになり、右足を前に出そうとした瞬間。

右足が木の根元に引っ掛かり、そのまま勢いよく転倒。
もう一度言う。急坂のザレ場で、勢いよく転倒した。

転倒する瞬間「この転び方はヤバいやつぅぅぅッ!」と思ったのを覚えている。
もうちょっとで前転して漫画のようにゴロンゴロン勢い付いてしまうところだった。

R嬢とT氏から「大丈夫っ!?」と声を掛けられ「うん大丈夫」とか言いながら、膝に激痛を感じ見てみると…。

タイツは破け、私の膝があらわになり、パックリ皮下組織までえぐれていた。
傷には砂やら入り込んじゃってるし、もうなんか、一言で言うとグチャグチャ。

えっちょっ!マジ?
なにこれ?
私の足だよな?

ちょっと何が起きたのか理解するのに時間かかったよね。

「ヤバい…ごめん、大丈夫じゃないわコレ…」

私のこの一言に二人が駆け寄って来て、「うわっ!ヤバいヤバい!」と一瞬3人でパニックに。

しかしここで瞬時に冷静さを取り戻したのがT氏である。
私なんかショックでボーゼンとしており、自身のファーストエイドキットの存在も忘れていた。

T氏 「水!とにかく水で傷口を流そう!」
R嬢 「わかった!てれってー、水かけるよ!」
てれ「う…うん…アタタ!しっ…しみルッ!」
T氏 「ハサミハサミ」(傷周辺のタイツをジョギジョギ~!)
T氏 「これ貼って」(傷あてパットペタ~!)
T氏 「テーピングで固定するよ」(テーピンググルグル~!)

ビックリするくらい冷静に、実にテキパキと処置をしてくれるT氏。
それをしっかりサポートするR嬢。
さながら医師と看護師である。

なんて頼もしいんだ。
私はこの間「あぁぁ」とか「うぅぅ」とかしか言ってなかった気がするぞ。

T氏によるテーピングのおかげで、なんとか自力で立てたものの…。
この激痛で下るの無理ィ!と絶望したが…下山するしか帰る手段はない。

R嬢にストックを出してもらい。
さっきまでの元気てれってーとは打って変わってションボリてれってー。
負傷した右足がほとんど使い物にならないので、ストックでバランスを取りながら歩く。
これぞ正に、心も身体もボロボロの状態である。

道を歩きやすいよう整備しながら私を先導してくれたのがR嬢。
最後尾でタクシーを呼び、一番近い救急センターを探して連絡を取ってくれたのがT氏。

私は「あぁぁ」とか「うぅぅ」とか言いながら、激痛に耐えヨボヨボ下山するのみだ。

普通に歩けば15分かからない道のりを、30分いや40分くらいかかったかな。
ようやく舗装された道に出て、到着していたタクシーに乗り、奥多摩駅へ。

T氏によると、奥多摩駅周辺には休日にレントゲンまで取れるような医療施設はないらしいので、河辺駅まで電車で向かう。
そこからまたタクシーで総合病院の救急外来へ。

ここまでスムーズに来れたのも、2人が付いていてくれたおかげである。
診察・処置が終わるまで数時間かかりそうだったので、二人にはお礼を言ってここでお別れ。

一人になり、待合室で思う。
縫うよね…縫うよねコレ確実に…。

私は縫合するほどの怪我をしたことがなかった。

縫う前に洗うよね…コレ。
ゴシゴシやられるよね絶対…。

私の兄は昔、麻酔なしでブラシでゴシゴシやられ、死ぬ思いをしている。

麻酔なしでゴシゴシやられそうになったら、麻酔してくんなきゃヤダって駄々をこねよう。。。
そして麻酔してもらうよう懇願しよう。。。

救急での処置

遂に診察に呼ばれ、まずは問診。
どこで、どんな状況で負傷に至ったのかを説明する。

「なるほどなるほど」

若く綺麗な女医さんだった。

「まずは、このままレントゲンを撮って骨に異常がないか確認しましょう」
「傷の処置はそれから行います。恐らく砂など異物も混入していると思うので…」

ということで、言われるがままレントゲン室で撮影し、しばらくして処置の為また呼ばれた。

キタ…。
ついにてれってー、縫合を経験する。

救命救急センターなので個室ではなく、広い空間をカーテンで仕切られ、他にも処置を受けている患者がいる。
私も一角の台に仰向けに寝かされドキドキ。

ここで登場したのがこれまた若いイケメン研修医(的な人)である。

研修医「傷見せてもらいますねー。」
てれ 「あ、タイツ、めっちゃピチピチで痛くて脱げないんで…切っちゃってください」
研修医「あーオッケーです。じゃ、切っちゃいますね~。」(ジョキ~)

傷があらわになった頃、先生と50代くらいの陽気な看護師さんが入って来る。

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看護師「あららら~(やっちゃったわね)」
先生 「ちょっとね、傷に砂がたくさん入っているので麻酔して洗ってから縫いましょうか。」
てれ 「はい。お願いします。(安堵)」
先生 「じゃ麻酔打っていきますよ~。頑張ってね~。」
てれ (般若のような形相で耐える)
看護師「痛いね~!コレが一番痛いのよ。頑張って!」
てれ 「ぅぬぅぅぅぅ」

何本か麻酔の注射を耐えるとだんだん痺れてきて、ジワジワ麻酔が効いてきた。
本日の核心は抜けたぞ!万歳!偉いぞ私!

それからは、ミニビニールプールみたいなのに足を乗せて。
温水みたいなのを傷にかけられながら、ゴシゴシ洗われた。

麻酔が効いているので、痛みは感じないが、気持ちは悪い。
だって、あの傷口を今ゴシゴシ洗われてんだって思うと。。。
大丈夫?肉とか何らかの組織とかもげちゃわない?ガクガク

看護師「これからしばらくは痛くて辛い生活になるわねぇ」
てれ 「いやぁ、それより山にしばらく行けないと思うとソッチの方が辛いですよぉ!」
看護師「えぇ!?ソッチ?(爆笑)こんな怪我してまだ山に行きたいの?(爆笑)」
研修医「ヤバいっすね~!(爆笑)え、山とか結構行くんですか?」
てれ 「ほぼ毎週末山(笑)」
看護師「毎週っ!?どんだけ好きなの!?本物ね!」
研修医「マジすか!(爆笑)え、富士山とか登っちゃうんですか?」
てれ 「山登ってるって言うと絶対ソレ聞かれるんだけど、富士山には興味ないんですよ」
研修医「えー!そういうもんなんですかー!」
先生 「私は昔富士山登ったんですよ~!二度と行かないけど!」(ゴシゴシゴシゴシ)
一同 「えー!すご~い!(笑)」

こんな感じで、ゴシゴシ洗ってもらいながら居酒屋のような雰囲気になっていた。
みんな爆笑してっけど、ここ救命救急だよな?大丈夫?
何この一体感。

この後もノリの良い看護師さんと研修医君に先生まで乗っかってくる感じで、終始笑いっぱなしだった。
気が付いたら縫合まで終わってた。

終始こんな雰囲気であったが、先生は非常に丁寧であった。
そこらへんの町医者なんかよりずっと誠実で説明も処置も丁寧で素晴らしい。

先生曰く。
・砂や土で傷がかなり汚れていたので縫合はザックリとしかしていない
・明日必ずかかりつけの病院へ行くこと
・破傷風ワクチンを打ったので、残り2回の接種は必ず受けること
・よく冷やし、足を圧迫せずなるべく高くすること

現在地元の外科クリニックで経過を診てもらっているが、先生が綺麗に洗ってくれたのでトラブルもなく順調である。
地元クリニックでも、私の山バカっぷりに処置室は毎回爆笑に包まれる。

反省点

気の緩みと過信

原因は言うまでもなく、この気の緩みと過信である。
山での怪我で圧倒的に多いのが下山中だという。

疲労による集中力の低下や気の緩みが転倒につながる。
というのを知っていて、気を付けていたにも関わらず転倒したのは「自分は大丈夫」という過信に他ならない。

それと「そこらへんの低山だし」という舐めた考えもあった。
怪我にしろ遭難にしろ、登り慣れた低山だって起こるときは起こるのだ。

そんなことわかっていたのに…。
心のどこかで舐めていたんだと思う。

あと「下山したら温泉とビール」というパワーワードに浮かれていたのは否めぬ。
いやそれが一番でかいかもしれない。

ファーストエイドキットのこと

ファーストエイドキットとは、今回のように山中で負傷してしまったり体調を崩してしまったときの為に、処置用具やら薬、消毒液などを一つにまとめたものである。

私もポーチに必要なものを詰めて、必ずザックに入れて歩いている。

しかし今回思った。
ファーストエイドキットって、怪我した本人よりも仲間の為に使うことの方が多いんじゃないだろうか。

現に今回私は負傷しパニクって、ただただ「あぁぁ」とか「うぅぅ」とか言っていただけだ。
自分のファーストエイドキットを取り出すことすらできていない。

全てT氏のキットで応急処置が行われた。
ファーストエイドキットって、仲間を救うために持つべきものかもしれない。
そういえば私のキットにはハサミが入ってないや…。

もし、R嬢と二人登山のときR嬢が負傷したら…。
うーん、もう少しキットの中身を見直す必要がある。
そしてテーピングの巻き方もおさらいしておく必要があるな。

登山とは、仲間の命も背負っている。
その責任を今一度実感した次第である。

単独登山の危険性

怪我をしてみてつくづく実感したのは、単独登山の危険性だ。
今回私は、自分自身では何一つできていない。

もしこれが単独だったら…最悪の場合遭難である。

死亡に至る遭難事故では、単独登山者が多いと聞く。
その中には、もし仲間がいれば助かっていた可能性が高かった事例も少なくないという。

私は万が一のとき、自身の判断で処置し行動できるだろうか。
頭ではわかっていても、実際パニックになって何もできない可能性が高い。

低山でも単独はやめよう…。
アブネ。マジで。

それと逆に、もしこれがもっと山頂付近だったら…もしアルプスだったら…。
仲間をも巻き込んだ遭難事故になる。
自身の不注意が仲間の命をも危険に晒すことになることを忘れないようにしたい。

破傷風ワクチンについて

破傷風…。
いや聞いたことはあるけど、詳しくは知らなかった。

破傷風とは土中の破傷風菌が傷口からはいって起こる病気だ。
つまり、登山者は普通の人よりも破傷風リスクが極めて高い。

破傷風の恐ろしいところは、30%超という極めて高い致死率である。
全身的な症状(けいれん、呼吸困難、脳炎など)がみられ、重篤な患者では呼吸筋の麻痺により窒息死する。

子供のころにワクチンを打っているが、30才を過ぎると効果がほとんど消失しているのだそうだ。
アラフォーてれってー、完全に期限切れである。
なので今回救急でワクチンを打ってもらった。

破傷風のワクチンは全部で合計3回の接種が必要で、あと2回忘れずに接種するよう念を押された。
登山をする人は、予め破傷風ワクチンを打っておくと良いそうだ。

まとめ

今回負傷したことで、わかっていたつもりだけどちゃんとわかってなかった反省点が浮き彫りになった。
また、今のファーストエイドキットの中身で仲間が怪我したとき救えるか。

色々と考え直す点があった。
イタい思いはしたが、これを機に反省すべきところは反省し、今後に生かしていきたい。
(まだ山に行くつもりである)

今回役立ったT氏のキット

私のザックに入っていたけど存在を忘れていたもの

私のファーストエイドキッド用ポーチ

コレめちゃ可愛ぇぇ

こんなのもあるよ


追記

このあと応急処置について色々勉強したR嬢より、最近は外傷に消毒液を使用するのは間違いとの目から鱗情報を得た。

消毒液は、傷を治そうとする皮膚にあまりよくないらしいのだ。
また、多少菌がいても傷はきちんと治ることがわかってきたので消毒液はかえって治りを遅らせるだけの行為だ。

あっぶね~!ただでさえ痛いのに、更に死ぬほどしみるマキロンぶっかけなくてよかった~!

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